RUNNING JOURNAL

走る日々に、ヒントを。

  1. HOME
  2. ブログ
  3. コラム
  4. 低酸素トレーニングは効果がある? 科学的根拠から考える
荏原町のフィットネス・ラボP2Mにある低酸素ルーム

低酸素トレーニングは効果がある? 科学的根拠から考える

「走る時間を、もう少しうまく使いたい。」

仕事や家事の合間に練習していると、時間を増やすことより、今ある時間で何ができるかを考えたくなります。
そこで気になるのが、低酸素トレーニング。
短時間で効率よく鍛えられるなら、試してみたいという方もいるのではないでしょうか。

低酸素トレーニングには、一定の条件で持久的な運動能力の改善を報告した研究があります。
では、低酸素ルームに入れば、誰でも同じ効果が得られるのでしょうか?
「何を、どのくらい、どう続けたか」まで見ると、自分の練習への取り入れ方を考えやすくなります。

低酸素トレーニングとは? いつもの練習と違うところ

低酸素ルームは、通常より酸素濃度を下げた室内で、ウォーキングやランニングなどを行うための設備です。
山へ移動しなくても、低酸素環境で運動する機会をつくれます。

研究で扱われる「低酸素トレーニング」には、長時間高地に滞在する方法や、運動中だけ低酸素環境を使う方法などがあります。
同じ呼び名でも、過ごす時間や運動の内容はさまざまです。
高地合宿の結果を、そのまま室内での30分の運動に当てはめることはできません。

科学的根拠を見るときは、研究の条件も一緒に

2006年に発表された研究では、男性競技ランナー18名を、通常の環境と低酸素環境で練習する2つのグループに分けました。普段の練習の一部として、週2回、6週間にわたり、一定の高い強度で走るセッションを行っています。

低酸素群では、最大酸素摂取量と、決められた速度で疲労困憊まで走り続けられる時間の改善が報告されました。最大酸素摂取量は、持久的な運動能力を考える指標の一つです。

ここで確認したいのは、低酸素下での24〜40分の運動に加えて、準備運動と回復の時間が別に設けられていたこと。そして、対象が日常的に練習している競技ランナーだったことです。短い時間だけを取り出して、ゆっくり歩く場合にも同じ結果になるとは言えません。

参考:Dufourほか(2006)「Exercise training in normobaric hypoxia in endurance runners. I. Improvement in aerobic performance capacity.」

「効果」は、何を測るかによっても変わる

一方で、2026年に発表された競技中長距離ランナーの研究レビューでは、通常の環境での練習に対して、ランニングエコノミー、最大酸素摂取量、タイムトライアル成績をより改善する効果は、統合した分析で確認されませんでした。疲労困憊までの継続時間では、低酸素条件の優位性が示されています。

このレビューは複数の低酸素・高地トレーニングの方法を扱っており、当施設の利用プランを直接検証したものではありません。一つの良い結果だけで判断せず、結果の違いも踏まえて使い方を考えることが大切です。

「持久力がつく」という言葉にも、一定のペースを長く保つこと、同じ速さを少ないエネルギーで走ること、レースのタイムを縮めることなど、いくつかの意味があります。自分が変えたいのはどこなのか。その問いから、練習を考えてみましょう。

参考:Schwalmほか(2026)「Does Hypoxic Training Improve Running Economy and Performance of Elite and Competitive Middle- and Long-Distance Runners?」

1回30分を、普段の練習の中でどう使う?

P2Mの低酸素ルームは、1回30分の予約制です。これは施設の利用枠を示すもので、30分で一定のトレーニング効果が得られるという意味ではありません。

忙しいランナーにとっては、時間を区切って予定を立てられること、天候に左右されずに歩いたり走ったりできることが、利用を考える手がかりになります。家や職場からの移動、着替え、準備運動の時間も含めて、生活の中に組み込めるかを考えてみてください。

初めて利用する際は、普段どのくらい走っているか、何を目指しているかをスタッフへお伝えください。
通常の環境でのペースをそのまま持ち込まず、その日の体調や感じ方を確認しながら、使い方を相談できます。

練習全体の組み立て方は、短時間のランニングでも効果はある? 忙しいランナーの練習の考え方でも紹介しています。

P2M会員の声

Aさん(ランナー)

マラソンの自己ベストは約2時間50分というAさん。記録が3時間10分前後で伸び悩んでいた時期に入会し、約1年でサブ3(3時間切り)を達成したと教えてくださいました。

日頃は駒沢などでも走っているAさん。低酸素ルームについては、短時間でSpO₂(血中酸素飽和度)が下がることや、雨を気にせずトレーニングできることを、利用して感じる良さとして挙げてくださいました。

最近入会された方が3時間30分切りを目指していると聞いた際にも、ご自身の経験を交えながら、低酸素トレーニングを強くおすすめされています。

荏原町・中延で、低酸素ルームを体験する

いつもの練習に、低酸素トレーニングという選択肢を。P2M Running Clubでは、荏原町のフィットネス・ラボP2Mと、中延のP2M joiruの低酸素ルームをご案内しています。

各施設、月額11,000円(税込)の通い放題プランです。1回30分・予約制で、利用後はいったん退出し、各回の間に10分のインターバルを挟みます。施設ごとのプランのため、対象年齢や体験条件、月会費以外の費用は各施設の案内でご確認ください。

限られた時間を、何のために使うか。研究から得られるヒントと、自分の目的や生活のペースを合わせながら、次の練習を考えていきましょう。

研究の確認について:2006年の原著は本文、2026年のレビューは公開抄録を参照しています(2026年10月確認)。

走る日々に、もっとヒントを。

ブログ一覧へ
  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事

月を選択