走った距離だけで、練習を評価していませんか?
ランニングを終えて、時計やアプリに表示された距離を見る。
「今日は5km」
「今月は100kmまで、あと少し」
数字が積み重なると、続けてきたことが目に見えて、うれしくなります。
走った距離は、練習を振り返る大切な手がかりです。
どのくらい走ってきたのかがわかりやすく、次の目標にもつながります。
ただ、その数字だけを見ていると、「今日は短かったから、あまり練習にならなかった」「先月より距離が少ないから、足りていない」と感じることもあるかもしれません。
そんなときは、距離の横に、その日の練習の中身も並べてみてください。
例えば、同じ5kmでも、おしゃべりを楽しみながらゆっくり走った日と、いつもより速いペースを保とうと走った日では、身体への負担は違います。
走った時間やコースが違えば、同じ距離でも練習の内容は変わります。
距離やペースは、「どんな運動をしたか」を教えてくれます。そこに、感じたきつさや心拍数といった「身体の反応」を合わせると、その日の練習をもう少し詳しく振り返れます。
まず振り返りたいのは、「今日は何のために走ったのか」です。
ゆっくり長く動き続けることを目指した日。少し速いペースに慣れるための日。仕事の合間に外へ出て、気分を切り替えたかった日。同じランニングでも、目的はいろいろあります。
例えば、余裕を持って走る予定だったなら、終わったあとに余力が残っていても、物足りない練習とは限りません。予定どおりのきつさで終えられたことも、振り返りに残したい情報です。
反対に、予定より長く走れたとしても、そのたびに疲れ切って、次に走りたい日に走れなくなっていたら、練習の組み立てを考えるきっかけになります。
「たくさん走れたか」に加えて、「今日の目的に合っていたか」。この問いを持つと、短いランや軽いランの意味も捉えやすくなります。
次に、その日のきつさを思い出してみましょう。
細かく点数をつけなくても、最初は「楽だった」「ほどよくきつかった」「かなりきつかった」と、自分の言葉で残すところから始められます。
余裕があれば、「呼吸には余裕があったけれど、脚は重かった」のように、何がきつかったのかも一言添えてみます。
同じコース、同じくらいのペースでも、毎回まったく同じ感覚で走れるとは限りません。暑さや睡眠、仕事などでの疲れも、その日の走りを考える背景になります。
いつもよりきつかった日も、すぐに「走力が落ちた」と結論を出さず、条件と一緒に振り返ってみてください。
そして、記録は走り終わったところで完結させなくても大丈夫です。
翌朝、普段どおりに動けたか。脚の重さが強く残っていないか。仕事や家事をするなかで、いつも以上に疲れを感じていないか。
その場では「ちょうどよかった」と感じた練習でも、翌日まで見てみると、自分にとってどのくらいの負担だったのかを考える材料が増えます。疲れが残ったことだけで失敗と決める必要はありませんが、次の練習を考えるときに使える情報です。参考:回復とパフォーマンスに関するコンセンサス

例えば、こんな記録から始められます。
- 目的: 余裕を持って走る
- 内容: 5km、35分
- きつさ: 呼吸は楽。後半は脚が少し重い
- 翌朝: 普段どおりに動けた
毎回、長い日誌を書く必要はありません。いつもの距離や時間に、その日の目的と感覚を一言。翌日に気づいたことがあれば、あとから付け足す。それくらいでも、自分の練習を振り返る材料になります。
何回か記録がたまったら、同じくらいの距離を走った日を比べてみましょう。楽に走れた日と、きつかった日では、ペースやコース、睡眠などに違いがあったでしょうか。こうした比較を、次に走るペースや時間を考えるきっかけにしてみてください。
距離が伸びるうれしさも、ランニングを続ける楽しみの一つです。
そこに、「何を目指して走ったか」「自分にはどう感じられたか」を添えてみる。同じ距離を余裕を持って走れた日も、疲れに合わせて短く切り上げた日も、その判断ごと記録に残せます。
次のランニングが終わったら、走った距離の横に一言。
「今日は、どんな練習になった?」
その答えが、次にどう走るかを考える手がかりになるはずです。

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